2020年4月5日に提供された「うちで踊ろう」という星野源さんの楽曲。
当初は1番だけの短い歌詞でした。
しかし、12月31日の大晦日には、紅白歌合戦に合わせて2番まで書き下ろされたことが話題になっています。
こちらのページでは、
- うちで踊ろう(大晦日)のフルVerの歌詞の意味を徹底考察!
- 「うちで踊ろう」に込められた星野源さんのメッセージとは?
についてまとめてみました!
すぐ読める目次
星野源「うちで踊ろう(大晦日)」の歌詞意味を徹底考察!
「うちで踊ろう」は、コロナ自粛中のステイホーム期間を有意義に使ってほしいという思いから作曲されました。
楽曲は無料で提供されて、SNSやYouTubeなどを通じて様々な人とのコラボが実現したことで話題になりました。
2020年12月31日には、紅白歌合戦に合わせて「2番」の歌詞まで加えられて、1つの楽曲として完成しました。
そして、翌日の元旦2021年1月1日に星野源さん自らが、全歌詞をSNSで公開してくれました。
星野源が『第71回NHK紅白歌合戦』にて披露した「うちで踊ろう(大晦日)」の歌詞をアップします!
元々の歌詞に2番を加え、新たなバージョンでお送りしました。感想もぜひお送りくださいね!#うちで踊ろう #DancingOnTheInside#NHK紅白 #星野源 pic.twitter.com/8FbxbRrzzf— 星野源 Gen Hoshino (@gen_senden) December 31, 2020
こちらのページでは、「うちで踊ろう(大晦日)」の歌詞に込められたメッセージを紐解いていきたいと思います。
1番イントロ
星野さんがアップした歌詞では、「扉閉じれば 明日が生まれるなら」で始まっています。
しかし実は、紅白歌合戦では「年を越せれば」とアレンジされています。
大晦日バージョンということもあって、年末を意識した歌詞になっていますね。
「扉を閉じれば 明日が生まれるなら」というフレーズには、
自粛期間中に家で過ごすことで、明日に希望がつながる
という意味合いが込められています。
コロナから命を守るためにも、家に居ようという呼びかけにも受け取れますね。
1番サビ①
サビは2フレーズに分かれています。
最初は、「うちで踊ろう」というおなじみの部分ですね。
「変わらぬ鼓動 弾ませろよ」というのは、
強く生きていこう
という星野源さんからの強いメッセージに感じられます。
「鼓動が弾むくらい、踊って楽しく過ごしたらいいじゃない?」という星野さんらしい1つの提案でもあります。
そして、その次に続いていくのが、「僕らそれぞれの場所で 重なりあうよ」というフレーズです。
これは今の時代に合わせた歌詞だと思いました。
SNSやYoutubeで、ひとりでも簡単に繋がりあえる時代。
だからこそ、この「うちで踊ろう」を通じて、ハーモニーを合わせていこう!という新しい時代の過ごし方を示してくれたのではないかと思います。
実際、この楽曲を通じて、著名人や個人などの数多くのコラボが実現しました。
1番サビ②
2つ目のサビは、「うちで歌おう」から始まります。
そこから続く、「悲しみの向こう」という強烈なキーワード。
悲しみ=コロナ禍によって人と単純には接触できなくなった時代を表しています。
その悲しみを乗り越えて、「生きてまた会おう」と
生きる希望を捨てないでほしい
というメッセージが込められています。
その先に「重なり合えそうだ」と、未来への明るい希望を示してサビを締めくくっています。
この1番のサビには、
- ステイホーム時代の新しい過ごし方への提案
- 希望を捨てないで生きていこうよというメッセージ
が込められていると感じました。
強く呼びかける感じではなく、緩めのメロディにのせて歌い上げることで、気負わずに聴ける楽曲です。
このバランス感覚がとても絶妙で、星野源さんの世界観に一気に引き込まれていきますよね。
2番Aメロ
「常に嘲り(あざけり)合うような」から始まるフレーズ。
”嘲る(あざける)”には、
- 見下して悪口を言う
- バカにして笑う
といった意味合いが含まれています。
いつも相手の欠点ばかりを見て、マウントを取り合うような現代。
そんな生活は昔からあったし、正直うんざりする。
そういった多くの人が共感できるフレーズですよね。
そして、次の”それが人”というのが少し解釈が難しい部分です。
歌の流れで聴いていると、一瞬「ん?」と止まるのではないかと思います。
ここでは、
嘲りあってマウントを取り合うような汚い一面もあるけれど、
「それが人」という生き物の性質
という意味合いです。
ぶっちゃけそんな事はわかっているし、もううんざりするほど知っている。
だから、その次の「うんざりださよなら」に続いていくわけですね。
そして、ここでまた星野源さんからのメッセージ
変わろう一緒に
が込められています。
人の嫌な側面ばかりが目につく世の中だからこそ、この機会に変わろう!といった、ある意味決意に近い感情が込められていると感じました。
1番は自粛期間中の過ごし方や、その先への希望を示していましたが、2番では「個人の成長」にスポットを当てています。
2番サビ①
変わるためには、腹が減っては戦はできません。
まずはご飯を食べて、そして身を清めて、それから新しいことを始めましょう。
そんな歌いだしにも感じられます。
そして、次のフレーズ
「窓の隙間の 雲と光混ぜた後」
ここ!個人的にはめっちゃ好きなフレーズです。
「雲と光を混ぜる」という表現が、とてもキャッチーで記憶に残りますよね。
雲=自分の弱さ、嫌な部分
光=未来への希望、成長
と解釈してみました。
陰と陽のどちらの部分も心にはあるけれど、そこを分けるのではなく、混ぜ合わせて一旦受け入れる。
そのためにも、「風呂にただ浸かろう」という時間が必要だったのではないでしょうか。
もしかしたら、このパートは星野源さんのコロナ禍における心境を歌ったフレーズではないかと感じました。
2番サビ②
そっと静かな状況で気持ちを整える。
十分整って落ち着いたら、「話してみよう」
サビの歌いだしには、前のパートから踏まえると、そんなメッセージに取れます。
「僕はひとりこの曲を歌っているよ」には、この歌をうたう全ての人に当てはまるフレーズですよね。
このシュールな感じが、星野源さんのユニークさと言葉選びのセンスを際出たせています。
Cメロ
追加された歌詞の中で、最もメッセージ性が強い部分がこのパート。
「こんな馬鹿な世界になっても」には、怒りにも似た今の世界に対する痛烈な批判が込められています。
うんざりするような世の中、それでもまだ生きていかなきゃいけない。
生きていくためには何が必要なのか?
それに対する星野さんなりの回答が、
「愛が足りない」
というフレーズにまとめられています。
ラスサビ①
ここもこれまでのサビと同じフレーズが続きます。
しかし、追加された強烈な歌詞が目を引きますね。
「僕らずっと独りだと 諦め進もう」
という部分です。
ここの受け取り方は、ポジティブに取るか、ネガティブに取るかで解釈が分かれてくるのではないかと予想されます。
ただ、これまでの歌詞の流れを踏まえていくと、この歌自体が「生きていくこと」「成長していくこと」を前提に作られていますので、ここではポジティブな解釈がふさわしいのではないでしょうか。
つまり、
諦める=開き直る
という意味で取ることで、その後に続く「進もう」が力強いメッセージに変わっていきます。
ずっと独りかもしれないけど、そんな現実を受け入れる。
でもそれは前向きに進むための、いい意味での諦めであって、生きることを決して諦めた訳ではないというメッセージです。
少しややこしいかもしれませんが、ポジティブな解釈にしたほうが、僕個人としてはピッタリではないかと感じました。
ラスサビ②
1番サビ②と同じフレーズの後に、「生きて抱き合おう」というフレーズが続きます。
この最後の部分が、星野さんが歌に込めた「願い」の部分です。
暗い世の中だけど、いつか訪れる明るい日に、手を取り抱き合って祝福し合おう。
そういった強い願いが込められています。
そしてこのパートは、Cメロで問題提起した「愛が足りない」の1つの答えでもあります。
「いつかそれぞれの愛を 重ねられるように」
その日のために、「うちで踊ろう」という曲が、元気を与えてくれるんだよ。
そんな思いが感じ取れます。
ラスサビでは、「うちで踊ろう」という曲に込めた、星野源さんの願いや思いがふんだんに込められたパートと言えるでしょう。
星野源が「うちで踊ろう」というタイトルに込めた怒りと優しさとは?
ここまで読んでいただいた方なら、もうお気づきかもしれません。
この歌には、
- コロナ禍を生き抜くための生き方
- この時代を生きるために必要な価値観
という2つのテーマに対するメッセージが込められています。
そしてその答えが、「うちで踊ろう」であり、「愛」ということですね。
ただ聴いてみると、ゆるいテンポの肩肘張らない歌に聴き取れますが、
その歌詞の意味を考察することで、星野源さんの怒りや優しさというものが感じ取れます。
この2番が追加されたのも、1番が出た当初(4月頃)と比べて、変わらない現状に対する痛烈な批判と、生きる希望をなくさないでほしいというメッセージを伝えたかったからかもしれませんね。
星野源「うちで踊ろう(大晦日)」の歌詞意味を徹底考察!のまとめ
「うちで踊ろう」は無料提供された楽曲ということもあり、多くの人に親しまれる曲になりました。
今回このタイミングで2番を追加したのも、紅白歌合戦という多くの人が視聴する機会に、強く生きてほしいというメッセージを投げかけたかったからです。
それを激しい曲調やテンポで歌わずに、あえてゆるい優しいメロディで歌い上げることで、多くの人の心に届けやすい形にしてくれていると感じました。
きっとこの楽曲は、コロナ禍を象徴する歌として、長く歌い継がれるのではないかと思います。
今後も星野源さんがどんな楽曲を提供してくれるのか楽しみですね!
ここまで読んでくださってありがとうございました。