トヨタの歴史あるセダンタイプの車種「クラウン」が、生産終了を検討しているというニュースが飛び込んできました。
若年層のセダン離れを中心に販売が振るわず、方針を転換したいためとされています。
では、クラウンの後継を担う車は何なのか?
クラウンを採用しているタクシーやパトカーはどうなっていくのか?
この記事では、クラウン販売終了後に起こる変化についてまとめてみました。
すぐ読める目次
クラウンのセダンが生産終了へ秒読み!そもそもクラウンってどんな車?
「いつかはクラウン」というキャッチコピーで一世を風靡したトヨタの高級車の代表モデルです。
1955年に経営者や投資家といったオーナードライバー向けの乗用車として開発されたのが始まりでした。
日本の高級車像を作る先駆けとなり、官公庁などの公用車や企業の社用車として広く用いられています。
また、高い安全性と耐久性から、タクシーやパトカー、ハイヤーや教習車といった業務用車両や特殊車両として使われることも多い車種です。
強さと美しさを合わせ持った高級車として多くのドライバーから愛用されてきました。
しかし近年は販売が振るわず、かつて最も売れた8代目クラウンが約24万台の販売だったのに対して、2018年は50,324台、2019年は36,125台となり、低迷が続いています。
また、最近では兵庫県三田市の市長車がクラウンからカムリ(同:トヨタ)に変わったことが話題を集めました。
カムリを選んだ理由として、三田市長は「クラウンに比べて安価なのに、車内空間はほぼ同等の広さがある。」と語っています。
昔ほどクラウンに魅力がなくなったという点からも、若年層のセダン離れを加速させた原因になっています。
若年層に売れている車種は?
毎年公表されている「カー・オブ・ザ・イヤー」によりますと、
1位 マツダ RX-8(初代)
2位 マツダ アクセラスポーツ(現行型)
3位 トヨタ 86(現行型)
1位 三菱 デリカD:5(現行型)
2位 トヨタ アルファード(現行型)
3位 トヨタ ハリアー(現行型)
となっていて、遊びやすさや家族での使いやすさなど、生活の場面ごとに機能性を重視した車種が選ばれていました。
販売台数を見ても、2020年上半期で
乗用車1位 ヤリス(トヨタ)7万9400台
となり、コンパクトカーが上位を占めるという結果に。
一方で、クラウンは30位となり、全体的に見てもセダンタイプの車種は人気が低迷していました。
クラウンのセダンが生産終了へ秒読み!後継モデルはハイランダー?
ニュースによりますと、後継モデルはスポーツタイプ多目的車であるSUVに似た車を検討しているとのこと。
これが海外で販売している「ハイランダー」ではないかと言われています。
ハイランダーは、2021年より欧州で販売予定とされている、3列シートのハイブリッドSUVの車です。
このハイランダーをベースとした車種を2022年頃に投入する考えとのことです。
ただ、クラウンのような低い天井や、重厚な雰囲気というのが出ないため、完全にクラウンの代わりになるかと言われると疑問が残るところ。
詳しい情報が分かり次第、こちらの記事にも追記していきたいと思います。
クラウンのセダンが生産終了へ秒読み!タクシーやパトカーはどうなる?
クラウンは乗用車としてだけではなく、タクシーやパトカーに採用される車としても知られています。
タクシーの場合
基準緩和以前は、タクシーにできる車両に対して細かい制限がかけられていました。
お客さんを乗せて走るという車であるために、座席の寸法や乗降口の大きさについて規定があったのです。
しかし、2015年6月12日に国土交通省より「タクシー車両の基準緩和等について」という文書が発表されたことにより、どんな車種でもタクシー利用が可能となりました。
次第にクラウンから、プリウスやレクサスといった車種も登場するようになっています。
ですが、クラウンにはクラウンにしかない良さも。
クラウンは丈夫な車としても知られています。
その丈夫さは走行距離50万km程度までは、エンジンやトランスミッションの交換などの大きな修理が必要にならない程です。
タクシー車として利用する分には、クラウンの方がその他の車種よりも、コスト面で圧倒的に優れているということから、未だに多くのタクシードライバーに愛用されています。
トヨタでは生産終了となってしまいますが、町からクラウンが消えていくのは、しばらく後の話になるでしょう。
パトカーの場合
警察庁では、パトカーの車種に細かい決まりが多くあります。
一部を例に出すと、
・車体は、4ドアのセダン型であること。
・排気量は、2500cc級以上であること。
・乗車定員は、5名であること。
・トランクルームは、床面が概ねフラットなものであり、容量が450L以上であること。
・サスペンションは、トランクルームに常時約60kg積載し、かつ、昇降機構付き警光灯を搭載して約20万km走行することに耐えうる構造とすること。
など
こういった細かい条件をクリアした車が入札に参加できるようになっています。
トヨタ自体は、「クラウンパトロールカー」という専用モデルを生産・販売しているため、警察庁側としても採用がしやすい状況にあります。
また、警察庁には全国に配備するパトカーを一括で大量購入するという仕組みがあり、それがトヨタとつながっています。
トヨタもまとまった台数を安定して納入することができるため、大きな利益を確保することができます。
しかし、今回の生産終了を受けて警察庁側としても、規制を緩和するなどして何らかの対策を取らなければいけなくなるかもしれません。
栃木県にレクサスのパトカーが寄贈されたというニュースがあったことから、これをモデルとして、クラウン→レクサスに移行するということはあり得るのではないかと思います。
クラウンのセダンが生産終了へ秒読み!みんなの反応は?
ネット上では、歴史ある車の生産終了を惜しむ声が数多く見かけられました。
クラウンはトヨタにとってずっと魂のような核の存在。
それを無くすなんて考えられない失策。
今のクラウンにはその格やセダンとしての重厚さが全く感じられません。
その時点でクラウンはもうトヨタから要らないと言われてた様なものなのでしょうね。
クラウンの見た目も田舎臭く、格好良くない。昔のソアラとか憧れだった。乗りたい、欲しいと思ったものだ。今のトヨタに乗りたいと思う車が見当たらない。
昔のクラウンにあった重厚さや高級感が、昨今のモデルチェンジにより失われていき、クラウンとしての品格を見失った結果と受け取られているようです。
トヨタの代名詞とも呼ばれたクラウンですが、その幕を下ろすことにより、会社としてのカラーをどのように出していくのか、難しい舵取りが迫られています。
クラウンのセダンが生産終了へ秒読み!のまとめ
- クラウンのセダンタイプの生産は終了する見込み。
- 後継はハイランダーをベースとしたSUVモデルになり、2022年に投入される予定。
- タクシーやパトカーには規定があるため、すぐにはなくならない。
トヨタの歴史と歩んできたクラウンが幕を下ろしてしまうことは、とても残念ですが、これを新時代へのきっかけにして、クラウンに代わる新しいブランドを作り上げていってほしいですね!
こちらの記事でも、最新情報が分かり次第、追記していきたいと思います。
ここまで読んでくださってありがとうございました。